「神の計画と人の思惑」創世記27章
イサクは自身の健康上の理由から、神の祝福を次の担い手に継承させなければならないと考えたようです。25章で「兄は弟に仕える」と主の言葉があるため、弟ヤコブが神の御心であることをイサクは知っていたことでしょう。しかしイサクが選んだのは長子のエサウでした。そこで母リベカはヤコブに、兄エサウになりすまし父から祝福を受けるよう指示します。イサクはエサウを、リベカはヤコブを愛したと父母の偏愛が記されています。祝福を与えられる神の御旨から外れたところで人々の思惑が交差し、それぞれが互いに自分の意志を通そうとしたとうかがい知る事が出来ます。リベカは夫イサクの目の弱さにつけこみ、騙すようにヤコブに知恵を与えます。神はその出来事を用いてヤコブを祝福します。エサウは祝福を奪われたことを知ると、ヤコブに激しい殺意を抱きます。イサクも自分が騙されたことを知り、激しく身震いします。その身震いはエサウのような怒りによるものではなく、神の御意志に触れたからです。神の御心を知りながら自分の思いを優先しようとしたイサクでしたが、「神の計画」は必ず成り、神はすべてご存知であることに恐れおののくのです。イサクはヤコブに対する祝福を取り消すことはありませんでしたが、祝福の争奪によりリベカが得たものは愛するヤコブとの別れでした。神の御心を知りながら、それとは別の自分の思いを遂げようとすることは私たちにも身に覚えがあることではないでしょうか。その結果、恐れおののき悔い改めるのです。私たちは折々自分の心を点検し、御心を行わせてくださいと祈りましょう。
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