「神の宣教」使徒行伝23:12
議場でのパウロの発言を受けパリサイ派の議員らはパウロをかばう気配を見せます。血気にはやる反パウロ派の人たちはそれを察し、自分たちの手でパウロを必ず殺そうと誓い合います。そのたくらみが実現したとしてもローマ市民であるパウロを殺したらその罪で自分が断罪されるのですが、ずさんな殺害計画であるもののパウロを殺すまでは飲食を断つ、と40人が誓いを立てます。しかしその陰謀を聞いたパウロの甥は、密かにパウロと守備隊長に告げます。事態を重く見た守備隊長は部隊の半数をパウロの護衛に割き、急ぎカイザリヤへ護送し総督ペリクスの元へ引き渡されました。この箇所には、御使いの超自然的な助けも、お告げもありません。パウロの甥は、身内を案じて行動し、ローマの守備隊長は町の治安を維持するという責任を果たすため、ユダヤ全土にくすぶる反ローマの危険と騒動を未然に防ぐという政治的判断で動いたにすぎません。しかし偶然に見えるような出来事、当たり前に思える人の心の動きにも、主の御心が実現していくために神が働きかけていることを、後になってから知ることができます。人の悪意に満ちた計画がはりめぐされ、状況は変わらずむしろ悪化しているように思える時でも、キリストの支配と守りの中で主の御心だけが成る(箴言19:21)と主に信頼し歩めますように。
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