『ラザロよ、出てきなさい』 ヨハネ11:1〜44
何が嘘で、何が真か。本当の事を知り得たならば未来は変わっていたかもしれない。その仮定は、知り得たならば別の判断ができたという期待があります。しかし未来を決定的に変える情報を知り得たとしても、理解し信じなければ十分に活かせません。イエスがラザロの死はあなたがたが(イエスを)信じるためだとおっしゃいました。しかし人々は思いました。「この人でもラザロを死なせないようにはできなかった(死の前には無力だ)」ラザロの姉妹マルタもマリヤも同音に「あなたがここにいたならラザロは死ななかっただろう」と。死んだら終わり。死ぬまでに何とかしてほしかった。それが人々の心の声です。それは「もし〜ならば出来た」とイエスに対する期待があったことをうかがい知る事が出来ますが、彼女たちがイエスの意図・目的を真に理解せず、イエスに付与されている権威を知らなかったことを露呈します。イエスは激しく感動し、心を騒がせました。人々に同情し憐れんだだけでなく、激しく憤っておられたのです。人を滅びへ向かわせ死へと至らせる罪に対し、またイエスに対する無理解からくる不信仰に怒られたのです。「ラザロよ、出てきなさい」イエスのことばは、死んだ者にいのちを与えてよみがえらせ、闇の中に迷える者にとって光となり、倒れている者を立ち上がらせ生かす声でした。「あなたはわたしを信じるか」私たちの未来(死の向こう側)を握るイエス・キリストが今日も私たちに語られます。
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