アハブ王の治世、フェニキヤ人の王妃イザベルの強い影響のもとバアル崇拝がイスラエルにおいて行われていました。交易による北イスラエルの繁栄は、慈雨の神バアルによるものだと民衆も信じた、そのような時代に神の人として用いられたのが預言者エリヤです。イスラエルを干ばつによって打たれた神は、ザレパテ(異国)の寡婦を用いてエリヤを養われると話されました。エリヤはその言葉に従いザレパテへ向かい、神の言葉通りに一人の寡婦に出会いました。干ばつの被害はこの地にも及び、女性は家にあるわずかな物を食したら息子と死ぬつもりだったとエリヤに包み隠さず話します。神はエリヤとこの女性、その息子を守られたので、かめの粉は尽きず、油は絶えませんでした。しかし神に従いながらも突然の不幸に遭い、エリヤに恨みごとを言いますが、息子の生き返りに彼女は「主の言葉が真実であることを知」るのです。神が用いられたのは異邦人の、力なき一人の女性でした。律法では貧しい人、旅人、寡婦、聖書文化の及んでいない異邦人など弱者を救済する福祉の精神が根底にあります。神のご計画では、国家に対して預言者としての使命を果たすエリヤを養うことも、彼女のような小さき者を庇護されることも同じなのです。神の取り扱いに「恐れることはありません。」
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