「十字架の上に」(ヨハネ福音書19:17〜22)
聖書はイエス・キリストが十字架につけられたことについて、出来事として淡々と記しています。十字架による磔は当時の死刑の方法では長く苦しめ死に至らしめるむごたらしいものであり、極悪人の刑罰として見せしめに用いられました。イエスご自身は十字架につけられ殺されることを「地上から上げられる」と表現しています(ヨハネ12:28)が、十字架にかけられ高い所に上げられることと同時に栄光を与えられることも意味します。何故ならイエスの十字架の死によるあがないを信じる人々は永遠の命を得るからです。その型(モデル)に、モーセが掲げた蛇について話されています(ヨハネ3:14)。民数記(21:4〜)でイスラエルの民が荒野の旅に不平不満を言い、主と指導者であるモーセを非難したことが神の怒りにふれ、大勢の人が燃える蛇にかまれて死にました。民は罪を犯したことを自覚し、悔い改めてモーセに神へのとりなしを願います。罪を犯す者に対する死の制裁の中で、青銅の蛇を仰ぎ見れば生きるという方法を主は備えられました。イエスは聞く者が分かるように、歴史的に起こった出来事と重ね合わせて例えを用いて話されているのですが、罪に対する神の裁きは死であることは変わらなくても、神が備えられた生きる方法――主を信じ十字架を仰ぎ見ることで救われる、ということを言われていたのです。「私を仰ぎ見て救われよ。私が神である、他にはいない。」(イザヤ45:22)
私達自身では手に負えない罪を清算するために十字架にかかられたイエス様を仰ぎ見て、私達の努力や能力では解決できない戦いも問題も、信仰の武具を身に着けて、神に拠り頼みましょう。十字架で流された血潮によって私達はきよめられ、聖霊が住まう宮となったことに感謝をささげましょう。
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