「過越しの犠牲」(出エジプト12章1〜39節)
エジプトの苦役によるイスラエルの苦しみ叫びを聞かれた神は、民を救うためにモーセを遣わされましたが、エジプトを去らせることを頑なに拒むパロに9つの災いを下します。災いの時は民を解放することを口にしても、災いがおさまれば約束を翻すパロに対し、最後の災いが下されます。それがエジプト中の長子の皆殺しの災いです。身分の高い者も低い者も関係なく、パロの家庭から家畜の初子に至るまで神様の処罰は徹底していました。しかしここにもエジプトとイスラエルの区別がありました。信仰による区別が明らかになるように、傷のない小羊を殺しその血を門と鴨居に塗れば主は通り過ぎる、と言われました。羊の血がつけられている家は過ぎ越され、神の死の裁きを免れたことは、罪のない小羊イエスの犠牲によって命を救われることのモデル(型)であることが分かります。ほふられた羊は過越しのいけにえとして火で焼き、食べるよう規定されています。家族という最小単位の共同体で犠牲にした小羊を分かち合い、神の裁きと赦しを知り、生かされた者として感謝しながら共に一歩を踏み出すために、共に食す機会を設けられました。そしてこの過越しを記念すべき主への祭りとして祝うよう規定されました。「あなたがたのいる家々の血は、あなたがたのためにしるしとなる」(12:13)神様の言われたことを信じ、従わんとする者は裁きを免れる、過越しの出来事はキリストの十字架の血潮がしるしとして与えられたことを予表しています。赦された者としてこれから生きていく時、孤独ではなく主は共同体を用意して下さり、そこで恵みを分かち合い私たちを送り出して下さることを覚え感謝をささげましょう。
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