6月5日 メッセージ要約

「わたしはあなたを捨てない」創世記28章
ヤコブは兄エサウになりすまし、父イサクから長子の権利である祝福を受けました。エサウは祝福をだましとられたと怒り、ヤコブの殺害を企てます。同じ親から生まれた双子で同じ家に育った兄弟に殺意を持つところに、人間の罪深さと悲哀を感じます。それを知った母リベカは、叔父にあたるラバンのもとに身を寄せるようにヤコブに教えます。イサクとエサウの手前、旅に出るのは異邦人の妻をめとってはならず、遠方に住む同胞から妻を得るためという名目でしたが、身一つで逃げるようにして住み慣れた家を後にしました。叔父ラバンがいるハランへは片道約720kmの孤独な一人旅です。神の祝福を受け取ったヤコブでしたが、その結果として疲労と不安しかない境遇にいる自分を惨めに思ったことでしょう。石を枕にし野宿していると、夢の中で主がかたわらに立たれ祝福の約束をされました。「私はあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、この地に連れ帰る。私は決してあなたを見捨てない。」それは落ち込んでいた彼に勇気を与えました。そこはきらびやかな神殿ではなく、富や栄華とは程遠いと思われる殺風景な所でしたが、確かに神の臨在があったのです。今の状況が幸福とはかけ離れているように思われても、神が私達のすぐそばにおられると約束して下さる、その臨在こそが祝福の根源であり、神の臨在に対する畏れと感動が信仰の基となるのです。