前回の説教「エルサレムへ」 使徒21章15?40節
エルサレムに着いたパウロ達はヤコブと長老たちに宣教の報告をし、ともに喜びをもって神をほめたたえました。イエスの弟ヤコブは今やエルサレム教会の指導者です。かつては兄イエスを救い主だと信じていなかったヤコブですが、イエスの十字架と復活を目の当たりにし、この道に入ったのでした。彼は熱心なユダヤ教徒にも「義人ヤコブ」と呼ばれるほど、その敬虔さが認められ尊敬されていました。エルサレム会議では「異邦人は律法を遵守せずとも、信仰によって救われる」とパウロが主張し、議長であったヤコブは「ただし異邦人も偶像に備えた物、不品行、絞め殺した物と血を避けるように」と提言しました。今回もパウロが人々から誤解を受け、悪い噂があることを知っており、パウロがユダヤ教の慣例に従い正しい生活をしていることを世間に示す機会を与えました。イエスの恵みによる救い、という真理はくつがえることはありませんが、ヤコブはユダヤの人々の宗教的感情に配慮したのです。
しかし人の先入観や認識はただちに変わることは難しく、悪意を持っているなら尚更です。ヤコブの執り成しも空しく、反パウロのユダヤ人に扇動されたエルサレムの民衆によって街は騒然となりました。私たちも誤った情報により偏見や先入観を持ったまま人と対することがありますし、私たち自身が誤解されることもあります。物事の本質を正しく捉え状況を正確に認識する訓練に、聖書の通読・精読は有益です。真理を見極めさせてくださいと祈りつつ信仰の道を歩もうではありませんか。
8月28日 メッセージ要約
- 2016-08-28
- メッセージ2016