「信仰の再建」エズラ記9章
大祭司の子孫、律法学者エズラが指導者としてユダヤ人と共にエルサレムへ帰還しました。帰還民は壮年男性だけではなく、女性、子供といった非戦闘民も多くいたでしょう。しかも大量の食料・家財・宝物を携え、4ヶ月に及ぶ道のりです。ペルシャ国内での旅路といえど、大規模な略奪隊による強盗の恐れもありました。ペルシャ王には護衛隊の用意がありましたが、エズラは信仰によって辞退します。緊張感を持ちながらも、無事エルサレムに帰還できた人々は喜びをもって感謝の礼拝をささげたのでした。エズラの帰還した目的は、神殿を中心として真の神に礼拝を捧げるために仕えることと、民族の宗教教育がありました。すでに第一次帰還からも約80年が経っていたので民の信仰を立て直し、崩れかけた信仰の基盤たる律法を遵守するためです。理想と希望を抱いて、エズラたちは先祖たちの地エルサレムに戻りました。しかしユダヤの地の現在の信仰状況の調査報告は耳を疑うものでした。イスラエルでは異民族であっても信仰によって共同体に受け入れられることはありました〈例:ラハブ、ルツ〉が、異民族と結婚することは固く禁じられていました。家庭に異教の神々を取り入れて信仰がなし崩しになり、イスラエルのアイデンティティーを失うからです。そのことで神の怒りを買いバビロン捕囚の要因となったのに、帰還した民は祭司も含む指導者層が異民族との婚姻を薦めていたという事実は、エズラにとってまさに寝耳に水でした。共同での神殿再建を断られたサマリヤの総督および周辺諸国の指導者達は、民の結婚という手段を用いてユダヤと同化し、ユダヤを内部から弱体化してソフトな面で侵略していたのでした。エズラはその現実に直面し、異民族と婚姻した者は離縁させるという方策を取りました。現代の私達の目からすると正しい方法と思えないが、当時のユダヤ人が真の信仰を再建するためにはやむを得ない、痛みを伴う解決策でした。そして民達は、神から与えられた律法を遵守することにより、信仰に立ち返ったのでした。
10月29日 メッセージ要約
- 2017-10-29
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