3月3日 メッセージ要約

「パウロの回心」使徒9:1?22
弟子たちが天国で誰が一番えらいのかという問いに対し、イエスは「心を入れ替えて幼な子のようにならなければ天国に入ることは出来ない」と言われました。今週は、「悔い改め」物事の見方や価値観を変え、生き方の方向性を変えた人物、サウロの話です。後にパウロと名乗るサウロは、イエス・キリストを信じる人々を熱心に迫害する者でした。使徒の中で、十字架前のイエスと会っていないのはパウロだけです。しかし彼は復活・昇天後のイエスとの出会いにより、劇的に人生を方向転換したのです。サウロはローマ市民である父を持つ、学問都市タルソ出身のユダヤ人です。エルサレムへ留学し、穏健な思想であるヒレル派の大学者ガブリエルのもとで学び、神に従い律法に生きるユダヤ神学の土壌を培います。しかしイエスとの出会いにより、人が神の前で義とされるのはイエス・キリストを信じる信仰による、これのみであり、律法を行うことによらない、と考えを改めます。パウロが説く福音の中心点は十字架です。今日、十字架はキリスト教の宗教的シンボルとして一般に認知され、アクセサリーとしても多用されていますが、もともと十字架はいかに長く罪びとにひどい苦しみを与えて殺すかを考えて作られたもので、絞首台や電気椅子やギロチンのように人々から忌み嫌われたものでした。そのむごたらしい死刑道具にまつわるイメージが、神の御子の象徴のように変えられたように、パウロも恐れられ嫌われた迫害者から一転、誰よりも熱心にキリストを宣べ伝える者となりました。しかしその「悔い改め」はすぐに人々に歓迎され、順調に伝道活動ができたわけではありません。パウロ個人は回心後、イエス・キリストを伝えていましたがバルナバに見いだされ、この道の働き人として同労者や同心の人々に受け入れられるには10年ほどの歳月を要しました【使徒11:25】。人生の方向転換をしてからしばらくは神と向き合う時間が必要でした。神の歩みに合わせていく中で自分も人も変えられて行くのです。神に整えられたパウロがアンテオケ教会の伝道チームに入ることにより教会の働きは拡大し前進していくのです。