「士師サムエル」 サムエル上7章
士師記から「主の霊」が注がれた人物たちを取り上げてまいりましたが、サムエルは、サウル、ダビデといったイスラエルの王に「主の油」を注いだ人物です。サムエルは預言者として神の言葉をとりつぎ、祭司としていけにえを捧げ、最期の士師としてイスラエルの指導者となり活躍します。サムエルの師エリの晩年、イスラエルの状況は大変な危機の中にありました。宗教的には民衆は異教の影響を受け、祭司は堕落し祭儀はなおざりにされました。政治的には高い軍事力と文明を誇ったペリシテ人と雌雄を決する大戦の末イスラエル軍は大敗北を喫し、神の契約の箱も奪われました。(この戦でエリの二人の息子は戦死し、息子の死と契約の箱が奪われたことを聞いた祭司エリは倒れて憤死)政治的・宗教的リーダー不在の中、サムエルはイスラエルの信仰の刷新と悔い改めを促したのです。彼は聖所を巡回し、犠牲をささげ、礼拝を指導する祭司の業を進めました。また彼は各地に「預言者の群れ」を組織しました。巡回と組織化により、山と川で隔てられ疎遠になりがちなイスラエルの各部族間を結び合わせ、イスラエルを神に仕える民として指導していったのです。契約の箱が奪われて20年、神の臨在と栄光がイスラエルに戻って来ず、霊的な飢え渇きを覚えた民衆は嘆き、心を尽くして神に仕えました。主を慕い求める祈りを神は聞かれ、ペリシテとの戦いに勝利し、ペリシテに奪われた町々を取り戻すことが出来ました(7:13)。そしてサムエルの一生の間、主の手がペリシテ人の侵入を防いだとあります。悔い改めて神を信じ仕える者を神は救われ守られることを信仰によって経験したのです。
8月4日メッセージ要約
- 2019-08-04
- メッセージ2019