10/6礼拝説教『ダビデとサウルの再会』サムエル上26章
ダビデがサウルのもとを出奔して以降、2度サウルに手をかける機会がありました。1度目は24章でダビデ討伐を企てたサウル王がエンデゲの荒野に到着後、小用を足しに洞穴に入ったところにダビデがいたのです。部下たちは今こそサウルを討つ時だとダビデに進言しましたが「主に油注がれた方を打つことは出来ない」と、気づかれぬ内にサウルの上着のすそを切り取るだけにとどめました。サウル王は自らの非とダビデの正しさを認め、ダビデが王になった時、自分の子や孫たちを害さないよう懇願し、ダビデは誓います。その出来事があったにも関わらず、26章でサウル王は再びダビデ討伐軍三千を率いジフの荒野へやってきました。24章で「なぜあなたはダビデがあなたに危害を加えようとしている、などという人の噂に耳を傾けるのですか」とダビデが言うように、サウル一人の思い込みやしつこさだけでなく、王の取り巻きにダビデ排斥を根強く主張する人々がいたということが分かります。敵意はないと分かっているダビデを追跡し亡き者にすることは間違っているけれども、部下たちの意見を無視することは出来ない。後代ユダ王国のゼデキヤ王も、預言者エレミヤの言うことは正しいと思うが、王の取り巻きがそうはさせない。自分が決断すれば未来を変えることが出来るのに周囲の人々の思惑に流されてしまう。神の言葉を聞きながらも、意志の弱さによって御言葉に従わず、悲惨な末路を迎える滅びに向かうパターンがサウル王のところでも見られます。26章でダビデはアビシャイと共に、夜陰に乗じて兵営に忍び込み、サウル王の槍と水差しを持ちだします。ここでサウル王を殺せば逃亡生活の非自由さから解放されますが、しかしこの時もダビデは「神に選ばれた者に手を下してはならない」と、サウル王を害することを許さず立ち去ります。ダビデの行動と決断は状況に左右されず周囲の人の意見に流されず、神のご計画の中で生かされている自分の命を神に委ねるというぶれない信仰に立ってなされていたのです。こうしてイスラエルの王として神に訓練され、磨かれていったのです。
10月6日メッセージ要約
- 2019-10-06
- メッセージ2019