『東方の博士たち』マタイによる福音書2章1?11節
東方の博士らは天体の研究に基づいた占星術によって「新しいユダヤ人の王が生まれた」と解釈し、それに従ってエルサレムまで来ました。占星術自体は聖書的には不確かなものですが、神の働きによる星の導きがあったのです。博士らは「ユダヤ人の新しい王の誕生」について、現在この地を治めているヘロデ王に訊ねました。そのヘロデ王とは権謀術策の多い世にあって皇帝アウグストに信頼され40年ほどこの地方を任されるほど政治家としては優れていましたが、猜疑心が強くその地位を守るためなら身内と言えど容赦なく殺すような人でした。そのため「ヘロデの息子に生まれるより、豚のほうがましだ」と陰口をたたかれるほどでした。そのような人物とは知らず博士らは告げたのですが、ヘロデ王が祭司長や律法学者たちに場所を訊ねると「それはベツレヘムです」と即答されます。すでに700年ほど前に預言されていたことだったのです。しかし祭司長・律法学者、エルサレムの人々はこの件については沈黙を決めこみます。過去何人もの偽預言者・偽メシアの出現があり、この度もそうだろうと考えたのかもしれません。ましてヘロデ王がこの件を無視するはずがなく、目障りな存在は抹殺することは火を見るよりも明らかです。巻き込まれるのは御免だとばかりに関わりたくない、恐れと不信仰によって「ユダヤの王の誕生」の報に触れてもイスラエルの民たちは行動に移すことをしませんでした。奇しくも行動に移したのは東方の博士とヘロデ王のみだったのです。博士らはベツレヘムで赤子の御子イエスと出会い宝物をささげ、喜びのうちに帰途につきました。「新しい王とは何者か?」「この方とどの様な関わりを持ちたいか?」この問いに彼らは時間とお金を惜しまず遠く千数百?を旅して主を礼拝するために行動し、大いなる方の力と導きに感動したのです。
12月22日 メッセージ要約
- 2019-12-22
- メッセージ2019