イスラエルはエリコで勝利を攻略すると、さらにアイへと進みました。難攻不落と言われたエリコに比べ、アイは小さな町で、今までの勝利に慢心し敵を侮ったのか3千の兵で戦いに行ったところ、散々に破れ帰って来たのです。ヨシュアは相当ショックだったらしく、執り成しの祈りの中で弱気な発言がありました。しかし敗北の原因を主にたずねると、エリコ攻略の際に「滅ぼし尽くせ」と命じたにも関わらず、アカンという人物が命令に背いて聖絶の物の中から自分のものとして横取りしたと指摘されました。エリコはカナン攻略の最初の町として、完全に神の方法で陥落した、神のものとしてささげられた町でした。その神のものを盗んだのは、この勝利は自分たちの力によるものという勘違い、自分も神の分け前にあずかる権利があるという傲慢から来る罪に神は怒られました。命じられた聖絶を破り罪を犯した人物をあげるとサムエル記上のサウル王です。彼に至ってはそれを部下たちの責任にしています。自分に都合のいい理由をあげ私物化を正当化します。「聖絶」は一見、人には理解しがたい方法ですが、金品によって人からの栄誉を得ようとする考えや思いを打ち砕き、神の御前できよさを守らなければ敵の前に立つことはできない、ということなのです。アカンとその家族は滅ぼされました。これは罪の悲惨さ、罪のもたらす影響がどれほど大きいかを表す事件でした。「破滅に先立つ高慢 誉れに先立つ謙遜(箴言18:12)」モーセの特質は謙遜でした。ヨシュアたちイスラエルも様々な失敗を経験しつつ、主と共に歩む中で信仰豊かな者へと変えられて行くのです。