1月17日 メッセージ要約

 「恵みの年を告げ知らせ」 (ルカ福音書414?30節)
聖書で言う「恵みの年」、ヨベルの年は奴隷が解放され、借財が免除される年のことです。ヘブル語、ギリシャ語で「恵み」は一方的な恩賜、優れた者が持たざる者に与えることを意味します。イエスの公生涯の最初の頃、安息日にガリラヤ地方の礼拝において、会堂管理者が朗読する箇所としてイエスに手渡されたのがイザヤ書61章でした。恵みの年を告げ知らせる、という「この御言葉が今日、成就しました」とイエスは宣言しました。会堂にいたユダヤ人たちは困惑しました。「あれは大工ヨセフの子ではないか」権威ある場で学んだ者ではない。どういう立場から、何故そう言い切れるのか、という非難もあります。また「そもそも我々は奴隷ではない、負債もない、律法を守り、生贄を捧げている」という自負があり、その宣言に歓喜できなかったのです。イエスは「預言者は、自分の故郷では歓迎されない」と言われ、エリヤとエリシャの例をあげます。どの時代もイスラエルに偶像崇拝がはびこり、神は不信仰なイスラエルの民ではなく異邦人の女性と家族を救い、敵国の将軍に癒しの奇蹟を現されたのです。イエスの発言を神への冒涜と自分たちに対する侮辱と受け取った人々は、怒りに燃やされイエスを崖まで連れて行き突き落とそうとしました。しかしイエスは慌てて逃げ出すでもなく、彼らの真ん中を堂々と立ち去り、彼らは見送ることしかできませんでした。イエスの宣言した「恵みの時」、すなわち貧しい人に福音を、捕らわれている人に解放を、打ちひしがれている人に自由を、罪と死の支配からの解放、は今なお続いており、信仰によってそれは受け取ることができるのです。