7月4日 メッセージ要約

「主が彼らの嗣業(相続地)」ヨシュア13:14?33
イスラエルの12部族はそれぞれにカナンに割当地を配されますが、レビ族には割当地がありませんでした。「主が彼らの嗣業」だからです。嗣業とは神から与えられた土地、財産などのことですが、新約に入ると「神の国そのものを受け継ぐこと」が、神の最大の祝福とされています。レビ族は地上の事物ではない、神の祝福の割り当てがあったのです。レビ族がなにゆえ特別なのでしょうか。そもそもレビ族の祖であるイスラエル(ヤコブ)の三男レビは神の大切な働きを託せられるほど敬虔な人物だったのでしょうか。創世記34章では妹ディナが辱めを受けました。煮え切らない父ヤコブを尻目に兄弟シメオンと共に一計を案じ復讐を企みます。相手の一族男子を皆殺しにし、子どもと女性たちを捕虜にし、富を略奪するということをやりました。父ヤコブはカナン人からの報復を恐れました。この出来事を後年まで覚えていました。彼は人生の最後に子供たち孫たちを祝福しますが、シメオンとレビを呪うのです(創49:7)。偉大な父祖から呪われてしまいましたが、神の御心はヤコブの思いとは異なったようで、レビ族からモーセが選ばれイスラエルをエジプトから脱出させるのです。先祖の罪の咎めを負い続けたゆえに、神への敬虔さを培ったのでしょうか。イスラエルの民が偶像の罪を犯した折、モーセが「主の側に付く者は私のもとに来なさい」と訴え、真っ先にモーセに付いたのがレビ族でした。「主に身をささげよ。主があなたがたを祝福される」(出エジ32章)。それから彼らは神に仕える祭司として務めを与えられました(民数3章)。レビ人としての働きは、主に1、祭司に仕える 2、幕屋(聖所)で仕える 3.礼拝で奉仕者として仕えることでした。時代は下り、バビロン捕囚の艱難を迎えた時、エルサレム帰還民を指導し信仰回帰を訴えたのがレビ族で祭司アロンの子孫エズラです。イスラエルはヨシュアの代に割当てられた地所を失いましたが、霊的遺産である信仰は受け継がれていったのです。「主が彼らの嗣業(相続地)」今日、キリストの血潮でもって清められた私たちは、神の国の祭司としてその働きを期待されています。