「信仰の継承の課題」士師記2:1?3:6
カナンの地に定住するイスラエル12部族にとって、今までと違う第一の変化は、モーセやヨシュアといった代表的な指導者は立てず、各部族が「私が主を選び、主に仕えることの証人は、私自身である」とヨシュアの前で約束したように、自分たちで契約を守ることによって相続地を継承していくということでした。第二の変化は、遊牧から農耕牧畜への生活様式の変化です。カナンの先住民は鉄製武器と戦車を持っており、全ての村落を占領することはできませんでした。そして追い出されなかったカナン人たちと同じ地に住むうちに彼らから影響を受け、土着の宗教(偶像)を受け入れるようになりました。ヨシュアと共に生きた世代の者たちが皆死んで「主がイスラエルに行われた業を知らない別の世代」が起こると、先祖の神である主を捨て、周りにいる民の神々にひれ伏しバアルに仕えて主を怒らせました。彼らは目に見えぬ戦い、信仰の戦いに敗れたのです。彼らはエジプトの奴隷の苦役から解放されたり、水や食べ物のない危機的状況から救われたり、恐ろしい敵から守られたりといった経験がなく、「私の通ってきた全ての道で守って下さり、これから進んで行く道も導いて下さる、あなたこそが主」という確信に乏しかったのです。士師記の時代と今日とでは風土も民族も違いますが、強い相手を恐れ、未来への不安と現在への不満と混在の中で歩んでいかなければならないという本質的なところは同じです。人間の弱さも汚さも愚かさも、時を経ても変わることはありません。イスラエルの失敗の歴史から学び、ヨシュアの告別の言葉に従って「主を畏れ、真心と真実をもって主に仕えなさい」とあるように、余計なものを取り除き、私たちの心を主に向けましょう。日々の生活の中で、「この方こそが信じるべき神」という生きた体験を培っていくことが、「私と私の家は主に仕える」土台となるのです。
8月1日 メッセージ要約
- 2021-08-01
- メッセージ2021