「御国をつがせる力」使徒行伝20:32
人生における自分の行程を走り終えたと悟った時、大切な人へ語るためどのような言葉を用意できるでしょうか。パウロはエペソ教会の指導者たちを呼び寄せ、地上における最後の対面になるかもしれないところで、遺言ともいえるメッセージをしました。新約聖書にたびたび出て来るエペソ教会は、伝道の拠点にもなり、その起源と成長の過程が全ての教会のモデルになる大切な教会です。パウロ自身の未来に関して、聖霊が教えてくれるのは投獄と患難でした。最後の時はいつになるか分からないけれども、自分に期待された働きは十分に出来た、福音を告げる者の責任(参考:エゼキエル33:6?9)を果たすことができるなら、この命は惜しくない。今わたしは、主とその恵みの御ことばとに、あなたがたをゆだねます、と語りました。御ことばには、?あなたがたの徳をたて(建徳する:人格的、霊的な育成)、?聖別されたすべての人々と共に「御国をつがせる力」がある、と。神の御心は人が「悔い改めて生きること」(参考エゼキエル18:32)そして、額に汗して働いて弱い者を助けることを訴え、また受けるよりも与えることの幸い(使徒20:35)をパウロ自身の生涯を模範として示しました。主イエスの言葉を記憶し、与えること、愛すること、語る事の幸いを知るのが信仰生活であると。御言葉は人を救い、命を与え、神の御国を継がせる力です。この御言葉から学び、養われ、主イエスに似た者として整えられるのです。