「罪と咎を赦すために」エレミヤ36章
ユダ王国末期、エレミヤ書で主要な人物が登場します。○預言者エレミヤ…イスラエルは悔い改めなければ、神の裁きによりバビロンによって滅ぼされると預言する。○ネリヤの子バルク…エレミヤの補佐、エレミヤの口述(預言)を書き記す。○ユダの王エホヤキム…エジプト軍との戦いで父ヨシヤ王(信仰に篤かった善王)は戦死。エジプトによる傀儡政権の王として立てられる。○シャパン:ヨシヤ王の宗教改革に尽力した人物、政権の中枢にいて、一族で預言者エレミヤを庇護した。ゲマリヤはシャパンの子○アカボルの子エルナタン…エホヤキムの妻の父。エホヤキム王に命じられ逃亡した預言者ウリヤをエジプトにて捕らえ、エルサレムに連れ戻し処刑している。 時代は紀元前605年ほど、バビロンの王子ネブカドネザルがアッシリア・エジプト連合軍を打ち破り、世界勢力地図が塗り替えられる分岐点でもありました。神の御心はイスラエルの救いです。度重なる違背にも、ご自身に立ち帰らせることをあきらめず悔い改めの機会を幾度も与えられました。「書き記して、民に読み聞かせよ」政府高官たちは、この神のことばを王の耳にも入れなければと考え、エホヤキム王の前でエレミヤ書の朗読の場を設けました。しかし王は3?4段読み進めるたびにナイフで巻物を切り取り、暖炉の火にくべ、ついには巻物のすべてを燃やし尽くしました。エルナタンやゲマリヤら政府高官たちは必死にやめるよう嘆願しましたが、彼らの願いは聞き入れられませんでした。主をおそれ、神のことばを信じる者と、聞き入れない者が二分した出来事でした。神は再び巻物に書き記すよう命じ、エレミヤは再びバルクに口述筆記させ神のことばの多くを書き加えました。これが今日のエレミヤ書のもとになっていると言われています。早くから文書化された預言書であるエレミヤ書はバビロン捕囚にあったイスラエルの人々に悔い改めと希望を与え続けました。