『キリストとの出会い』 使徒行伝9章1〜22節
サウロの先祖はサウル王を輩出したベニヤミン族であり、正統なユダヤ人であるだけでなくローマ市民権を持つ父のもとに生まれました。アテネ、アレキサンドリヤに次ぐ当時の学問都市タルソで育ち、更にエルサレムへ留学し、その時代の高名な学者ガマリエルのもとで学問を積んでいたところ、ナザレのイエスを信奉する一派がいることを聞きました。秩序を乱す集団を一掃することは神の御心であるという信念のもと、キリスト者を迫害することに血眼になりました。キリスト者を縛り上げてエルサレムへ連れていき処罰しようと息巻いてダマスコへ向かっている途上、突然天からの光が満ち、キリストの声を聞きました。当時、旧約聖書を熟知していたであろう厳格なユダヤ人でも、神が約束された救い主はイエスキリストである、ということに結びつけられませんでした。サウロもキリストと人格的に出会うことによって真理に目が開かれました。そして彼の情熱的な性質はそのまま福音を宣べ伝えるために活かされました。主イエスが彼の生きるべき道を正されたのです。
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