「イエスを神の子と信ずるため」ヨハネ20:19〜30
トマスの言動(11、14章)を見ると、彼は非常に率直な人間だと知ることができます。また人の話を鵜呑みにせず、自身の経験を通して理解してゆく人なのでしょう。自身の失敗の経験を人生の糧として成長していくことが出来るのなら、それは彼にとって益です。人の失敗をも自分の人生の益に出来るのが“知恵”です。トマスには聖書の知識とユダヤ文化の背景、イエスと共に歩んだ経験などがありましたが、彼は「復活のイエスを実際に見て触れなければ信じない」と言いました。イエスはトマスと弟子達の前に姿を現し、「見ないで信じる者は幸いである」とおっしゃいました。キリスト教に対して懐疑的な人々が「イエスが今も生きていると証明してみろ、この目で見られたら信じる」と言いますが、当時復活のイエスを見ても疑う人達はいました。条件を提示してそれが遂行された結果、信仰を持つのではなく、信仰の決断を先行させることの幸いをイエスは話されました。「信じてイエスの名により永遠のいのちを得るため」信じることの幸いを得てほしい。それが父(神)の御思いではないでしょうか。信仰は決断と経験。キリストを信じて共に歩んで行く中で体験的に御言葉を理解し、信仰は豊かにされていくのです。
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