「逃亡者ダビデ」 サムエル上21章
ダビデは宮廷で楽器を演奏している時にサウル王に槍を投げられ殺されかけたり、王の娘ミカルと共に家にいても兵士に捕らわれそうになったり、預言者サムエルのもとに隠れても安全でないことを知り、最後の手段として親友ヨナタンに父サウルの真意を確認してもらいました。嘘の説明をして父サウルを試すような芝居をしたところ、サウルの怒りは息子を殺す一歩手前まで爆発します。サウルの敵意は気まぐれや思いつきのものではなく決定的となり、ダビデを確実に殺そうと執念深く追うようになりました。このことはダビデの信仰による勇気も委縮させました。そして空腹をかかえ祭司アヒメレクに相談した時、逃げのびるための方便として「王の用事で来ました」と伝えます。そこには聖別されたパンしかないと言われ、「私も部下たちも清い」と、一つついた嘘のために作り話を重ねるしかありませんでした。武器を携帯していなかったので、奉納していた巨人ゴリアテの剣をもらい武装しました。そのことを居合わせたエドム人ドエグがサウルに報せ、アヒメレクと祭司たちがダビデの陰謀に加担したとしてサウルは激怒し、祭司の町の住民もろとも皆殺しにしてしまいます。いっぽうダビデは、サウル王の支配下には安全な場所はないという判断から、大胆にも敵地ペリシテの王アキシュを頼りますが、王の部下たちがダビデを覚えていて受け入れられる空気ではないと感じ取り、気が狂ったふりをして町の外へ追い出されました。サウル王への恐れ⇒嘘、偽り⇒逃亡という負の連鎖から脱け出せないダビデの元に、アヒメレクの子エブヤタルが来ます。自分が逃亡している間に関わった人々を死へ追いやったことを聞き、ダビデは後悔します。恐れと不安におびえる時こそ、信仰の武具によって身を固め、自分も人もあざむくことなく平和の内に問題解決ができるよう主に知恵を求め、聖書から学ぶことができますように。
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