「主に伺うダビデ」 サムエル上23章
サウルとダビデは、それぞれ主に選ばれ油注がれイスラエルの王となりましたが、2人を分かつ信仰観、生き方の違いは「主にうかがう」ことでした。実はサウルという名はシャーアル「主にたずねる」から来ていますが、サウルが主にたずね、主に問うても、夢においても預言者からも神からの応えはありませんでした。そこで彼は女性の霊媒師に占ってもらうという愚挙に出ました。それに対してダビデは彼の人生において何度か失敗をしてもその都度、悔い改めて主に帰り、主にたずね求めたのが特徴的です。逃亡していたダビデの元に、親族や貧しい人やサウルに不満を持つ者たちが400人程集まっていた時、ケイラの町がペリシテの略奪隊に襲われているとの情報が入ります。本来ならサウル王のイスラエル軍が対応するべきですが、ダビデは手勢を率いて救出に向かうべきか「主にうかが」います。神は「行って、ケイラを救え」と答えますが、ダビデの部下は消極的です。再度、主に伺いを立てると「ペリシテ人をあなたの手に渡す」と答えられ、ダビデは奮起し味方を励まし、略奪隊に勝利しケイラの住民を守りました。しかしケイラの人々にとってはサウル王にダビデとの関係を疑われる難しい立場となり、ダビデもサウル王に居場所が特定されてしまいます。主の声に従ったのに、サウル王がダビデを殺すために兵を率いてやってくるという危険にさらされます。そこでダビデはどう行動すべきか主にたずね、ケイラを出てあちこちをさまよいます。ダビデは命をねらわれ続けるストレスと戦いながらも、自分を慕ってついてくる600人の人々の生活も考えなければなりません。荒野で王としての訓練があったのです。主は、意味のない苦しみは与えられません。サウルが岩ひとつ隔てた所まで追い詰めた時、ペリシテ軍が侵入したと報告が入り、ダビデの追跡を断念します。人々はその場所を「分かれの岩」と呼びました。まさに神がダビデとサウルの間に入って「仕切り」となられたのです。主に伺い主と共に歩んだダビデを守られた神は、今、主にたずね求める私たちも守られるお方です。
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