「神から来た人」ヨハネ9章13〜41節
生まれつき目の見えなかった男は、イエスの言葉の通りシロアムの池で目を洗うと目が開かれ見えるようになりました。癒されたのが安息日だったことでパリサイ派の議員たちはイエスの行動を問題視し、彼に尋問します。「お前はあの人をどう思うか」「預言者です」「安息日を守らない者は神から来た人ではない」とイエスの言動を否定するパリサイ人に対し、彼は「神は〜神を敬い、その御心を行う人の言うことは、お聞きになります」「あの方が神のもとから来られたのでなければ、何もお出来にならないはずです」と反論します。自身の体験を通した証言は強いものです。議員たちは罪人と見下していた男に自分たちの主張が間違っていることを指摘されたようで面白くありません。イエスをメシアと告白する者は会堂(共同体)から追放すると決めていたので、彼を追放します。「生まれつき目が見えないのはこの人の罪の為か?」「この人の父母・先祖の罪の為か?」いずれにしても罪があるから見えないのだ、と先入観(偏見)をもって人や物事を決めつけたり、自分は色々知っていて正しく、相手が間違っている、と真理から目をそらそうとする頑なな人を聖書は「うなじの固い民」と表現します。強い自我が打ち砕かれないと自身の霊的な飢え渇きにも気づかずに生涯を終えることになるでしょう。イエスはそのような人を、見えているが見えていないと指摘します。これを聞き捨てならないと思ったパリサイ人が「我々も見えないということか」と言うとイエスは臆せず「『見える』とあなたがたは言っている。だから、あなたがたの罪は残る」と告げます。神のもとから来られ人々の罪を贖う主イエスは、人々の罪をも明らかにするお方です。
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