「救い出される神」ダニエル3:13〜30
古代の遺跡の多くは当時の権力者がその権威の象徴とし造らせたものです。ネブカドネザルも例に漏れずドラの平野に高さ約24mもの巨大な金の像を造らせました。奉納式にはバビロン全土からおびただしい数の有力者が集められ、この金の像の前にひれ伏さない者は燃える炉の中に投げ入れると命令しました。どんなに力を得ても不安がつきまとう王は人々に礼拝行為を強制し、王に対する恐れと忠誠心を見て満足しようとしたのでしょう。音楽と共に全ての者がひれ伏したように見えましたが、ユダヤの青年3名は命令を無視しておがみません。シャデラク、メシャク、アベデネゴはバビロンのために教育を施され、行政官に任命された者でした。ネブカドネザルは3人を呼び、「もう一度チャンスをやるが、おがまなかったら直ちに焼き殺す」とおどすと、3人の者は「私たちが仕えている神は、あなたの手から私たちを救い出すことができます。たとえそうでなくても、私たちはあなたの神々に仕えることも、おがむこともしません」と信仰告白しました。絶対権力を前にしても流されず、決して屈しない勇気はどこから出るのでしょうか。殉教者の歴史をたどって見ても「たとえそうでなくても」という場合の方が多いのです。しかし魂さえも支配される絶対者なる主を心から礼拝していた3人は、死の後までも主が共にいて下さるという平安に満たされていたのです。自分を神であるとするネブカデネザルの高慢は、燃える炉の中から3人を無傷で救い出された「4人目」の方である主の前に打ち砕かれました。
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