「神の手」ダニエル5:10〜28
時は新バビロニヤ王朝末期のことです。最後の王ナボニドゥスは偶像(月神シン)崇拝に明け暮れ、息子のベルシャザルが政権を握っていました。祖父ネブカドネザルが建設した城は、ユーフラテス川の運河を用いて堀とし二重の巨大な城壁に囲まれ、難攻不落の城でした。ここにいれば何一つ恐れることはない、という過信が孫たちの高慢を増長しました。また彼らに勝利を与え続けると信じた偶像により頼み、イスラエルから奪った神殿の祭具で千人の貴族たちと大宴会をしていました。そうした驕りの絶頂にあったベルシャザルの前に突然、人の指が現れ、壁に文字を書き始めました。王の顔色は変わり、ひざはガクガクするほど怯えました。訳が分からず方術士や占い師たちを呼び寄せ、文字を解き明かした者は国の第三番目の地位につけると宣言しますが、誰にも意味が分かりません。そこへ王妃がやって来て、ネブカドネザルの夢を解き明かしたダニエルを召すよう進言します。ダニエルは王に、驕り高ぶったベルシャザルに神の裁きが下る、この国は敵の手に渡ると解き明かします。その預言通り、ペルシャのクロス王とメディアの軍はユーフラテス川の流れを変えて堀を空にして奇襲し、大きな抵抗も無く門は開かれ、ベルシャザルは殺されます。こうして栄華を極めたバビロンは一夜にして滅びたのです。祖父が神にこらしめられ獣のようになったことを知りながら心を低くせず、全ての道をつかさどっておられる神をあがめなかった為、その命は神の御手により量られたのです。
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