「青銅の蛇」民数記21章
荒野での全ての期間、民たちは水不足という問題に悩まされました。主に命じられてホレブの岩を打った(出エ17章)時のように、メリバの水の時(民20章)も民たちは「あなたがたはこの荒野で死なせようとするのか」と騒ぎます。モーセとアロンは怒りのあまり感情的になり、権威の杖をもって岩を二度打ちました。この時神は「岩に命じれば、水が出る」と言われたのに、言葉通り命じるだけでなく、岩を二度も打ったのです。やがて来るキリストの救いとあがないは「ただ一度(一回限り)」というキーワードがあります。一度で最終的に決定してしまうことを意味する語彙です。神の子が人の罪のために身代わりとなられたあがないは完全で、やり直し、繰り返しはないのです。神の言葉に従って民たちを率いてきたモーセとアロンですが、「約束の地に入れない」と言われてしまいます。その後、エドムをう回して荒野を旅しますが、その途中アロンも亡くなります。う回する道の総距離はかなりのもので困難をきわめました。民たちは忍耐できなくなり、色々な心の思いが一挙に噴き出してしまいます。「私たちはこのみじめな食物に飽き飽きした」と、天からのマナにも文句をつけます。神は炎の蛇を送られ、多くの者が死にましたが、モーセが青銅の蛇をさおの先にかけると、蛇にかまれた人もそれを仰ぎ見ると生きのびることができました。神の刑罰による痛みを経験した者は、救いを求め神に立ち返りました。誰でも罪を犯し、失敗をします。恵みによって生かされていることを忘れ、当然のことのように思い、不平不満をつぶやきがちです。荒野生活の民への訓練は、私たちの信仰の旅路に多くの示唆を与えます。十字架を仰ぎ見、神の守りと恵みに感謝しつつ歩みましょう。
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