「罪の赦し」 (ルカ福音書5章17〜26節)
ルカの福音書5章から、イエスの奇蹟の業が書かれています。大漁の奇蹟を目の当たりにしてシモンペテロがイエスに従う決心をし、重い皮膚病の人にイエスが「わたしの心だ、きよくなれ」と言われると、たちどころにいやされました。その奇蹟を誰にも話さないよう言い聞かせましたが、イエスの評判はますます広がって行き、病気を治してもらうため、教えを聞くために大勢の人がイエスを見に集まってきました。そんな中、中風(脳卒中)の人が天井からつり降ろされイエスの前に置かれました。当時、長い病いは何かの罪の裁きと考えられており、病人自身がとがめを感じ、自らの罪が赦されないから病いが治らないという思いにさいなまれていました。そんな彼の心を見て、イエスは「人よ(友よ)あなたの罪は赦されました」と宣言されました。イエスに期待し、いやされることを信じている人々の願いに答えられて、イエスは病人の彼が必死に求めていること、彼に一番必要なこと=罪の赦しをまず与えられたのです。そのやり取りを見た律法学者やパリサイ人らは「この男は何者だ、神でなければ罪を赦すことはできないのに」と反発します。彼らの発言は正論ですが、イエスご自身が神の子であることを決して認めていないゆえの発言です。そこでイエスは「罪の赦しと、病気のいやしとどちらが易しいか」とたずねます。神を畏れない人、口先だけなら何でも言えますが、実際には罪の赦しの方が難しいのです。「人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることがあなた方に分かるために」イエスは中風の人をいやされます。いやしの奇蹟は、罪の赦しのしるしなのです。イエスは人の心を見られるお方です。
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