「インマヌエル」マタイ1章18〜25節
婚約者マリヤが子を宿したことを知り、ヨセフは頭を抱えました。自分の知らない子をみごもった女性に、当時の律法では石打による公開処刑をする権利がヨセフにはありました。律法に従う「正しい人」であったヨセフは、マリヤの妊娠は耐え難いことでしたが、隠し通すことができずいずれ周囲から石打にされるよりも、ひそかに離縁して去らせた方が双方にとって良い、と考えました。そんな時、ヨセフは夢で御使いからマリヤを迎え入れるように命じられます。「彼女は男の子を産む、その名はインマヌエル(神われらと共にいます)」「このことは既に預言されていた事が成就するためである(イザヤ7:14)」という御告げを受け、ヨセフはイスラエルの民を罪から救う神の御業のただ中にいることを知り、自身が納得できる理由をもってマリヤを妻に迎えるという決断と行動に移ります。「その子をイエスと名付けなさい」と御使いは言われましたが、その名は「イエシュア=神が救い」という意味です。キリストの「救い」には助け、支援、問題解決ということも含まれます。人々が期待する救い主の奇蹟には、病気のいやしや悪霊の追い出し、政治的・軍事的イスラエルの独立もあります。しかしイエスは時として人が思う通りには問題を解決されないこともあります。神はその場その場での支援ではなく、その人の魂の救済という視点から変化をうながされることがあるからです。また「インマヌエル」という名の通り、どんな苦難の中に置かれたとしてもそれは神が見放された結果ではなく、信仰の糧となり力となるよう、主はその試練の中でも共にいて下さるのです。コロナ禍にあって孤立はさらに深まりましたが、このような時代であるからこそインマヌエルの預言の成就に感謝し、救い主のご降誕を共に喜びましょう。
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