「信仰と望みと」ペテロ第一の手紙1:10〜21
この手紙が書かれた時代、キリスト者は誤解や中傷を受け、社会的に不利益な立場に追いやられ、状況は悪くなるばかりでした。しかし手紙には「あなたがたは喜んでいる」とあります。それは「救い」にあずかっているからです。赦された者にとって罪の自覚はより大きく、ゆえに「多く赦された」喜びとして信仰の動力となるのです。信仰生活における力の源は、十字架(罪の赦し)、復活(永遠のいのち)に基づく神の愛です。旧約聖書には数多くのキリスト(救い主)についての預言がありますが、神の啓示を受けた預言者たちも、いつ、いかなる時に実現するのかを熱心に調べました。神の恵みは、魂の救いだけではありません。キリストが再び来られる時、朽ちない体をいただく恵みが待っているのです。その時まで、かつて奔放(ほんぽう)に生きたようにではなく、キリストにならって「聖なる者となりなさい」と書かれています。この言葉はレビ記からの引用ですが「なりなさい」は「されなさい」とも言える言葉です。子が親に似るように、いつも行動を共にする親しい人に感化されていくように、聖なる方と人生を共に歩むことによって私たちも聖い者へと造り変えて下さるのです。人は罪深く、迷いやすい愚かな弱い者ですが、そのような者を神ご自身が聖められて行くとは、何と深い憐れみでしょうか。父なる神の豊かな憐れみと恵み《神の愛》を知った今、人はどのように応えるべきでしょうか。「心を引き締め、身を慎み、従順な子として」信仰に生きることです。与えられた恵みに感謝し、希望を抱きキリストと共に歩んでまいりましょう。
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