救い主はベツレヘムでお生まれになるというのは既に預言者ミカにより預言され、明らかにされていました。しかしヨハネとマリヤはナザレに住んでいました。マタイの福音書では「彼はナザレ人と呼ばれる」とあります。ナザレはガリラヤ湖西の寒村のため、イエスの蔑称でもありました。救い主の条件と合うことが可能となったのは、皇帝アウグストにより人口調査せよという命令が下ったためでした。エッサイの子ダビデの家系であるヨセフは、ダビデの町ベツレヘムで登録しなければなりませんでした。身重のマリヤは長旅を強いられた上、出産時には飼葉桶に幼子を寝かせる状況でした。何故このタイミングでこんな命令を下すのか、不満を抱いたことでしょう。しかしこの物語の背後にはローマ皇帝/国家権力を用いて預言を成就される神の御業が現されていたのです。またイザヤ11:1〜に「エッサイの株から若枝(ネツェル₌ナザレ)が出る」と預言されています。幾通りもの預言がイエス・キリストの誕生につながり、神の言葉は必ず成就することをルカは伝えています。他人の都合に振り回され思い通りに行かない中で、その背後に見えない神の働きとご計画があると知ったならば私達は今の状況を異なった視点で見ることが出来るのです。
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