「主を畏れ敬う人」列王紀上18:1〜19
メディアで毎日のように政党とカルト団体の関係が取りざたされていますが、政治家が宗教勢力を自分たちの利益のために利用するのは列王紀の時代にもありました。北イスラエルのアハブ王は、シドンの王女でありバアルの祭司の娘、イザベラを王妃としました。アハブ王は政治的な手腕もありツロ・シドンとの交易で成功し、ばく大な富を築きました。王は外交上の理由からバアル信仰を国策として用いましたが、それをとがめる預言者エリヤの存在をイザベラはけむたく思っていました。「主の怒りでイスラエルに3年雨が降らない」と預言したエリヤを捕らえるよう命じ、殺そうと思っていました。主の預言者たちも迫害されました。そのような中、宮廷長のオバデヤは王と王妃に見つからないよう、主の預言者たち100人をこっそり洞窟にかくまいました。王の懐刀ともいえる存在が主君の目をかいくぐり、命令にそむいて預言者たちを隠し続けたのです。エリヤのように正面きって堂々と王に物言うわけではないけれど、オバデヤは主をおそれる人だったから信仰を働かせ、その立場で出来ることをしたのです。もしそのことが知られたら、オバデヤもその働きを手助けした部下や家の者たちも殺されてしまうでしょう。彼の前にエリヤが現れ「エリヤはここにいると王に告げなさい」と言われ、オバデヤは激しく動揺しますが「私の仕える万軍の主は生きておられる」というエリヤの言葉に心を決めます。「万軍の主」とは戦の神というより「偉大な畏れるべき神」「契約を守り、真心を示す真実な神」「命の主なる神」という意味です。信仰者は時として孤独を感じがちですが万軍の主が共におられる、決して一人ではないという神の約束を基とし、励ましとし、歩んでまいりましょう。
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