「あなたが生きながらえるために」エレミヤ38:14〜28
巻物を燃やしたエホヤキム王の息子、エホヤキンはバビロンに連行され(第一次バビロン捕囚)、代わりにゼデキヤが南ユダ国の王にされました。バビロンによる傀儡政権を嫌う過激な主戦派と、偽預言者による勇ましい預言が絶えずなされ、ゼデキヤ王は国内のユダヤ人にも抗しがたい状況にいました。政府にはシャパン一族のようにエレミヤら預言者を庇護するバビロン恭順派もいましたが、主戦派がエジプトに援軍の約束をとりつけ、ゼデキヤが王位について9年目、バビロン王ネブカドネザルはユダヤ王国の裏切りを聞き自らバビロン軍を率いて出陣し、2年ほどエルサレムは包囲されます。エジプトの援軍が進撃したことでバビロン軍の包囲は一時解かれます。ユダの人々は、エルサレムはやはり主に守られている、決して滅びることはないという思いが強く湧き上がったに違いありません。それに反論するエレミヤの厳しい言葉は戦士や民全体の士気をくじく、と首長たちは彼を殺すよう王に進言します。ゼデキヤが優柔不断な態度をとった結果、エレミヤは監視の庭にある水溜の穴に投げ込まれました。泥土の中に沈み、飢え死にするのを待つばかりです。ところが、そのことを聞いた王はエレミヤを穴から救い出し、再び、監視の庭に置きました。表立って弁護はしないものの、エレミヤの語る主の言葉に恐れを感じていたのでしょう。38章14節以降には、人目を避けて王とエレミヤが密談したことが記されています。「もし自分が投降した場合、ユダヤ人らが自分をなぶりものにするかもしれない」とゼデキヤが不安を吐露すると、エレミヤは「あなたに語っていることに聞き従ってください。そうすれば、あなたは幸せになり、あなたのいのちは助かるのです」と断言しました(38:19〜29)。主の約束はいつも単純です。「〜しなさい。そうすれば、〜なります。」この定式は私たちに信仰を求める神の呼びかけです。「降伏すれば、生きる」というのは簡単なようで、到底不可能なことなのです。これはゼデキヤ王個人の問題ではなく、イスラエルの歴史が引きずってきた重い問題を正しく理解して、神への信仰を根本から問い直すことが求められたのです。
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